R3EはSimbinの反撃の狼煙となりうるか?
昨年のDTM Experience 2013(以下DTM2013)、そして今年9月はADAC GT Masters(以下ADAC)と、リリースする拡張コンテンツが(最近は)好評なRaceRoom Racing Experience(以下R3E)ですが、どれほど良いデキなのか私自身も試し、そして「これはたしかにイイ!」と思えたのでレビューしてみたいと思います。
R3Eのそもそもの失敗は
次はいよいよGTR3…と期待されていた中、Race07シリーズでお小遣い稼ぎの拡張パックを小出しにしたり、やっとベールを脱いだ新タイトルが"iRacingになりたくてなれなかった”感が前面に出たR3Eだったりと、「もうSimbinはダメだ」と思ったファンは私だけではなかったはず。特にR3Eのローンチは”どれだけ走り込んでもきっと一生楽しくならないファンタジーコース”と、ブログを書くからといってあらためて車名を調べる気にもならないぐらい興味の湧かない緑色の車のペアが強烈で、PCのHDDはテラバイトが当たり前になった時代でも「このク○コンテンツのために1MB消費することですら惜しい」と素直に思えるデキでした。付け加えるまでもなくドライブフィールも○ソでしたね。
DTM2013で化けた
その後の過程は存じませんが、「おやっ?」と思ったのはDTM2013がリリースされたあたりからでした。いろいろなレースシム関係のフォーラムで「ちょっと待ってくれ、DTM2013がめちゃんこ楽しいんだが…」といった書き込みをちょいちょい見かけるようになったのでした。しかもグラフィックやサウンドが良いというだけにとどまらず、ハードコアなファンが「シムとしてもなかなか」と評価しているのですから、私も試さずにはいられませんでした。
そして実際手に入れてみると、R3Eの最悪の第一印象を払拭する見事な仕上がりでした。評価の詳細は後述します。
ADACでさらにポテンシャルを発揮
そして今月、R3Eのアップデートと共にADACがリリースされました。
R3E - ADAC GT Masters 2013 Pack - YouTube
魅力的な車を納得のグラフィックとサウンドで再現し、素直に「Simbin、良い仕事したな。」と思える内容でした。挙動についても同時に施されたR3Eのアップデートでドライブフィールが向上しており、前述のDTM2013と同様、舌の肥えたユーザも楽しめる仕上がりになっていました。こちらも詳細は後述します。
お、ねだん以上
以前はコンテンツに割高感があった印象ですが、このADACのリリース以降、プライシングにテコ入れをしてきたようです。具体的には、
- いくつかのコンテンツを”パック”として割引
- すでに所持しているコンテンツによっては、パックや類似コンテンツを割引
が適用されるようです。例えば今回私はDTM2013を所持している状態でADACを購入しましたが、下の画像のように
- ADACのコンテンツ全てで本来は5,650vRP
- パック(ADAC GT MASTER 2013 Pack)割引が適用され1,800vRP
- DTM2013収録コースと重複があるためさらに割引が適用され、最終的に支払額は1,133vRP
となりました(vRPはそのまま”円”と読み替えると大体あっています)。
ちなみに、パックではなく単品で車を購入した場合ゲームプレイはどうなるのか?という点ですが、システム的には
- 購入したその車が所属するシリーズがアンロックされる(ゲーム内で選択できるようになる)。
- プレイヤーが使えるのは購入した車&スキンのみだが、AIは他のスキンを使って登場する。
- 複数車種によるシリーズであれば、AIは他の車&スキンも使って登場する。
という仕組みになっているようです。今回私はADACに続いてRUF RT12Rも購入しましたが、下の画像のようにRUFのみを所有している状態でもゲーム内で”GT2シリーズ"を選ぶことができ、AIはBMW M3 GT2やChevy Corvette C6Rが登場し、RUFも未購入のスキンを引っ提げて出てきます。
シングルプレイヤーモードの楽しさは一級品
さてここからはゲームの中身について言及していきたいと思います。まずはシングルプレイヤーモードについて。
Adaptive AI
レースシムをシングルプレイヤーモードで遊ぶ際の問題として、「AIのレベルがプレイヤーのレベルとマッチしない」ということがあり得ます。難易度をハードにすると追いつけず、ミディアムだと簡単過ぎてレースにならない、といったことがありますが、R3Eはこの問題を『Adaptive AI』と呼ばれるものを実装することで解決しました。これは、プレイヤーのパフォーマンスをレース毎に学習し、次回のレースではプレイヤーと同等のペースでAIが走行する、という機能です。これによりAIと熾烈なトップ争いを繰り広げることはもちろん、ワンミスで取り返しのつかないことになることを懸念してマージンを取って走るなど、緊張感をもたらしレースクラフトを意識させる結果となっています。
実際の”Adaptive具合”ですが、ADACでOscherslebenでのレースを4レース繰り返すと以下の通りでした。2位以下のAIドライバーのタイムに注目してください。
1レース目
2レース目
3レース目
4レース目
しかし残念なのが、先日のアップデート以降DTM2013のAdaptive AIは機能しないというバグが発生しているようで、この記事の執筆時点ではまだFIXされていません。早急な修正を望みたいですね。
AIはバトルも上手
他のタイトルでは、AIは頑なにレコードラインをトレースするだけ、というものも少なくありませんが、R3EのAIは人間らしく振舞うことが多々あります。
下の動画は、私がシングルプレイヤーモードでOscherslevenを走ったものです(ADAC GT MASTERS 2013シリーズ)。
R3E ADAC GT MASTERS 2013 at Oschersleben ...
いくつか注目すべきポイントを挙げると、
- スタート~:AIが思い思いにポジション取りをする(他のタイトルでよくあるような、2列縦隊のまま第1コーナーへ…とならない)。
- 0:30~:黄色のコルベットがアウト側へポジションを替えたのに反応してその後ろの白いFord GTがインを刺す。
- 1:12~:コルベットがブロックラインを取る。
- 1:17~:その前のFord GTが、前のGT-Rのインを刺せないと判断してアウト側へラインを取り直す。
といった具合に、1周するまでの間コックピットから見える範囲でも、プレイヤーをヤらしく攻めたりAI同士でバトルをしていたりします。まれにAI同士で交錯してスピン、ということもあるので、そういったところでもAIの人間臭さを感じることが出来るでしょうか。
CompetitionとLeaderboard
シングルプレイとマルチプレイの中間、と言えるでしょうか、いわゆるタイムアタックランキングがR3Eでは充実しています。
同等のシステムが他のタイトルでも搭載されていることがありますが、参加者が少なかったりチーターが野放しにされていたりと、なかなか本気で取り組もうという気になれなかったユーザーも多いのではないでしょうか。チーター対策として管理者がリプレイファイルをレビューしたのち正式タイムとして登録される、というユーザーがボランティアで運営しているサイトもありますが、そのサイトを知っていて、かつ、そこで戦おうというユーザーが限られてしまうため、やはりライバルが不足するという問題が残ります。
その点、R3Eではゲーム内からシームレスにランキングにエントリー出来る手軽さを提供し、(異常なタイムも見られないことから)管理もしっかり行われているため多くの参加者を得ることに成功しています。運営という面では、数週間毎に”コンペティション”として数種類のシリーズを提供し、終了時のランキングに応じてDTMの観戦チケットやvRP(ゲーム内マネー。コンテンツの購入に充てることが出来ます)を賞金として提供するなど、プレイヤーをやる気にさせることにも成功しています。このため参加者のレベルが非常に高く、簡単には上位に名前を残すことは出来ないことから、もっと練習しよう、セットアップを工夫してみよう、と、熱中する要素を与えてくれているのは評価できるのではないでしょうか。
マルチプレイヤーモードは”紳士が多い”…か?
マルチプレイヤーモードに関しては、まだこの記事を書いている段階では評価できるほど十分なレースをこなしていませんが、参考として、DTM2013で数レースに参加した感想を述べます。
大抵のカジュアル指向なレースシムは、いわゆるFでidiotな方々にレースを荒らされる事が少なくありませんが、今のところ私はミサイルを食らったり幅寄せされて押し出されたりという経験がありません。ニュルブルクリンクのスタート直後の1コーナーは絶好の追突ポイントだと思うのですが、それを覚悟でブレーキを踏んでも追突されず、私だけでなく参加していた全車が無傷で2コーナーへ向かっていけたのは良い意味で予想を裏切られました。
たまたまクリーンな参加者に恵まれただけかもしれませんが、一例としてここに挙げておきます。
FFBは及第点
FFBは「レースシムとして楽しめるレベルに達している」と言えるでしょう。今回のアップデート前までは「ややアーケード感が強いか」とも思いましたが、アップデート後は”車を操っている感”が増しました。
さすがにiRacingのように、純粋なステアリングラックのフォースの再現だけで路面の微妙なアンジュレーションや車の姿勢変化を感じられるレベル、とまではいきませんが、Simbinのお家芸とも言えるタイヤのグリップレベルをパラメータとしてFFBに反映・表現する技はR3Eでも光を見せていますし、それがアーケードチックに感じるユーザのために、オプションでステアリングラックのフォースとのブレンド具合を任意に設定出来るようになっている事は好感が持てます。
具体的な設定
RaceDepartmentのこちらのスレッドを見ると、Vertical LoadとLateral Forceをかなり強めに設定するのが推奨されているようですが、私個人的にはそれらは味付け程度にとどめ、Steering Rackをメインとする方が車やコースの動的な変化を感じやすいように思えます。
利用しているハンコンや好みによって変わると思いますが、参考までに私の設定値は以下の通りです:
システム面では改善の余地あり
諸手を挙げて「R3E最高!」と言えない理由は以下の通りです。
チャンピオンシップモード
これがDTM2013にしかありません。ADACや他のカテゴリではシングルレースのみです。無くても困らない人は多いでしょうが、私は困る人です。
ピットイン
DTMはピットイン義務があるレースフォーマットを採用していますが、DTM2013はピットインが出来ません。ピットロードに入ることは出来ますが、強制的にドライブスルーをして終わりです。ペナルティごっこです。
テレメトリ
テレメトリデータを出力することが出来ません。Motecの画面を見て悦に入ることが許されていません。単に機能が端折られてるだけかとも思えますが、in-gameのセッティング画面でもタイヤ温度や空気圧といった結構重要なデータが表示されていないことからすると、Physicsはかなり簡略化されているのか?という気がしなくも無いですが、どうなのでしょうか。
最後に
以上、長々と書きましたが、R3Eは、
- 現状でも非常に楽しめる、十分な完成度を持っている
- これまでのアップデートの方向性は良く、今後も期待出来る
と言えるのではないでしょうか。Simbinは最近、『Sector 3 Studios』として再出発することがアナウンスされました。これをきっかけにレースシム界に新たな金字塔を打ち立てるべく、さらなる発展を私たちに見せてくれることを期待しながらレビューの結びとしたいと思います。
Total War: Rome2の日本語MODはどっちがいいの?
全国一千万のトータル・ウォーファンの皆様、こんばんは。
DeIとRadiusのどちらで遊ぶか決めかねているうちに一ヶ月が経ってしまいました。PCゲームってそんなもんですよね。SkyrimもMODを入れることに満足感を見出すゲームだそうですし。
さて、Rome2には日本語化MODが2種類存在します。Japan Total War版(以下JTW版)とTotal War: Rome2 Wiki版(以下R2Wiki版)です。「比較してるサイトは無いのかしら?」と調べてみると無いようだったので、自分で比較してみました。お好みの方を選ぶ参考にどうぞ。
なお、比較した際のそれぞれのMODのバージョンは、
- JTW版:0.9
- R2Wiki版:0.8
です。
Military Victory
前回の記事から早6ヶ月、やっとクリアしました。難易度はたしかノーマル。
たしかいつぞやのパッチから勝利条件が緩くなったはずですが、その前に始めたキャンペーンだったので無駄に140もの領土の支配が必要でした。苦労して達成してもちょこっとムービー流されて終わりです(「CLOSE MOVIE」の消えないツールチップ付き!)。
140ってほんとキツいですよ。マップのほぼ全てです。
金に物言わせて大軍隊で蹂躙するだけの簡単な作業でした。縛りを入れてもおもしろくなるとも思えなかったので、ただひたすら心を無にして戦闘に明け暮れる日々でした。属国化したBoiiが割りと頑張ってくれたのでそれは助かりました(属国の領土もカウントに入る)。終盤、スパルタに毎ターン50,000円以上積んで属国化しようとしたのにあいつら絶対首を縦に振りませんでした。今度からはすぐ滅ぼしちゃうぞ☆
次はDivide et ImperaかRadious MODでも入れて遊んでみようと思います。
ポテンショ交換&NIXIM MOD導入
天下の呉工業のエレクトロニッククリーナーでもピクピクが直らずイライラしているG25/27ユーザのみなさん、こんにちは。
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よくあるブレーキの引きずりやスロットルが100%にならない問題に関してはBodnarケーブルでクリアしていましたが、それでも、ペダルの物理的なストロークのデッドゾーンが増えるのは感触として気持ち良いものではありませんでしたし、開度50%以下のレンジで出力が振れてたりして、レース中に集中力を欠かれる原因になっていたので今回思い切ってメンテナンスしました。
まずはポテンショメータの交換です。
センサテックの『ELV-1605HI』にリプレースしました。無接点ポテンショならプルプルとはおさらばできます。某F社のポテンショは非常に高価ですが、こちらの製品は1個1,450円。嫁に下げる頭の角度は浅くて済みます。
そして『NIXIM MOD』も導入しました。
元々は『ARC Brake MOD』を狙っていたのですが、「在庫はいつ復活するのか」という問い合わせに対し「来週には入ってくるぜ!」という回答が12月9日。今サイトを見るとまだ入荷してないみたいですね。イタリアンクオリティ…。
というわけでそれぞれのレビューです。
ELV-1605HI
最高です。本当に最高です。
ピクピクとは無縁になりました。ペダル開度の0%付近や100%で出力が振れるからBodnarの設定でマージンを取って…といったことが不要になりました。ペダルを踏んだ通りの出力が出ます。これ、本当に大事なことですよ。
無接点ということでメンテナンスフリーになったこともうれしいですね。
NIXIM MOD
まだ数時間しかテストをしていないので、今の段階で感じていることをそのまま書きます。ちなみに私が購入したのは”V2”(バネ+ゴムバージョン)です。Web上ではNIXIM MODのレビューは多数ありますが、V2以前のものもありますのでご注意。
まずは良い点。
そもそもこのMODの狙いが「踏力でブレーキをコントロールできるようにする」というもので、その狙い通りの効果は間違いなく出ています。オリジナルのブレーキだと足首の角度や指の曲げ伸ばしでコントロールしていました。NIXIM MODでは、弱いブレーキのコントロールはオリジナルのやり方で、強いブレーキは踏力で、とコントロールの仕方の幅が広がります。
踏力でコントロール出来ると何がうれしいのか?
使う筋肉が増えるのでマッスルメモリーを効果的に使えます。シートに押し付けられた背中の圧力もセンサーとして使えます。
NIXIM MODのレビューでよくある「タイヤがロックするかしないかの領域でコントロールしやすくなった!」ってのがありますが、あれ嘘じゃなかったですね。
悪い点。
導入できるコクピを選ぶと思います。ペダル、シートがガッチリ固定された環境じゃないと、ペダルかドライバーのどちらかが飛んでいくんじゃないでしょうか。
また、BodnarケーブルかBU0836Aといったユーティリティは必須だと思います。ペダルのストロークが短くなる(もしくは、馬鹿力で全部踏めたとしても「ここでMAXになってほしい」という領域があると思います)ので、ハードウェア寄りで設定出来たほうが、シムごとにin-gameでチキチキ設定するより楽だし確実でしょう。
その他思ったこと。
”ゴムで固くする”ペダルは、NIXIM MOD以前ではFrex GPペダルで体験済みですが、NIXIM MODの方が良いですね。Frexは(以下省略
まとめ
ELV-1605HIもNIXIM MODも、買いかスルーかで言えば間違いなく”買い”です。ハイエンドなペダルに行く前に、ちょっとアップグレードしてみませんか?満足度高いですよ。オススメ!
Donner Pass
前回の予告どおり、Donner Passのキャリアシナリオ1本目に挑みます。
また雨。しかもヤードで貨物を集めてくるところからスタート。何十本も線路が並んでると目的の貨物見つけるだけでも大変なのでヤードのタスクは嫌いです。
貨物てんこ盛りで上り勾配は30マイル出すのも大変。なのに司令室から「他に優先させたい列車がいるからポイントの前で待ってちょー。貨物ヘビーなのに悪いね!」と無線が入る。
待ってると前方からやってきた。早く行ってちょ。
トラックスピードが50マイルな区間で50マイル出す。「快適快適〜」と思っているとまた無線、「その先路線保守やってるから25マイル以下に落としてね」と。がっくり。
で、25マイルで通過したんだけど、どこにも作業者が居ないんですけど…?