SimVibeで振動コクピを作る:その2『設計・構築』
- SimVibeで振動コクピを作る:その1『振動コクピとは』
- SimVibeで振動コクピを作る:その2『設計・構築』
- SimVibeで振動コクピを作る:その3『振動コクピの感想』
バスシェイカーの選択
振動コックピットを構築する際、候補に挙がるバスシェイカーを紹介します。(各製品名に購入先のリンクを張ってます)
ButtKicker Mini LFE SE
SimXperience推奨の、ButtKickerのSimVibeエディションです。
一般的なバスシェイカーは対応周波数がおよそ100Hz以下なところ、こちらの製品は250Hzまで対応できるようになっています。これによりコクピの揺らし方の選択肢が広がります。ただしお値段は$95と高め。
カマデンVM812
日本国内では、値段を含めた入手性が最も良いのではないでしょうか。
ファンソニックという同社製の体感音響製品に使われています。出力が10Wと若干低いので、迫力のある振動を得たい場合は設置の仕方やコックピットの設計に工夫が必要かもしれません。
Aura AST-1B-4
国内で手に入れる場合の次の候補はこちらの製品になるでしょう。
旧製品のためARIから廉価(6,860 円)で販売されています。出力は25Wとシートを揺らすには十分なパワーを持っています。
Aura AST-2B-4
AST-1B-4の後継機です。出力は50Wで破壊力満点です。
対応周波数が20〜80Hzと、多種多様な振動を振り分けるにはややレンジが狭いのが難点。また、国内で購入する場合は9,970 円と高価なのと、輸入する場合は安価($39)なものの発送コストやリスクが気になるかもしれません。
Dayton TT25-8もしくはTT25-16
4個セットで安価に販売されています(TT25-16の場合。$44.50)。
出力は15Wですが、インピーダンスが8Ω(もしくは16Ω)なため、アンプの選択肢が広がります。
追加サウンドカード・アンプ
5.1ch以上に対応した、バスシェイカー用のサウンドカードが必要になります。適当なサウンドカードを追加してください。
使用するバスシェイカーに合ったアンプも必要になります。
VM812やAST-1B-4といった低出力機種であれば、中華系(TOPPING系)の格安アンプで事足りるでしょう(ヤフオクもしくはこちらで購入できます)。
AST-2B-4のような50W以上の出力が必要な場合は本格的なアンプが必要になります。海外の振動コクピユーザの評判も良く、日本でも入手が容易なのはべリンガーのEPQ304になるでしょう。4ch 50W、4ΩというスペックはAST-2B-4にバッチリです。
(2013/01/22追記)EPQ304は4ch全てに同時に大きな負荷がかかった場合に、過負荷保護機能が過剰に働きアンプがシャットダウンしてしまう問題が報告されています。通常のPAアンプとして利用する場合には問題ありませんが、SimVibeのような特殊な負荷のかかり方とは相性が良くないようです。この問題はSimVibe開発者自身も気付いており警告しています。
なるべく安くアンプを入手したい場合は、ヤフオクでYAMAHAやONKYOの中古アンプを購入するのがよいでしょう。ONKYOのTX-SAシリーズであれば、対応スピーカーインピーダンスが4ΩなのでAST-2B-4にも使えます。
コックピットの材質・構造
木材もSUSも、どちらも振動コックピットの製作事例はあります。ただし、振動コックピット特有の考慮事項が何点かあります。
モニタースタンドは分ける
ベースフレームと一体型の場合、モニターが揺れます。先駆者たちの間では「モニタースタンドはそれ専用で構成する」ことがセオリーとなっているようです。
各バスシェイカーの振動が混ざらないようにする
”右フロントタイヤの振動が左足に伝わる”のはなるべく避けたいところです。フロントとリアの分離については、コックピットのフレーム長もそこそこあるでしょうから、自然な振動の減衰を期待できますが、左右の分離については”左右を結ぶ構造体をなるべく減らす”といった設計が必要になります。
SUSでの製作事例ですが、以下のように左右の振動の分離を考慮して設計変更をした例があります。
バスシェイカーのマウント方法については、木材コクピなら何も考えずにコーススレッドで留めることができますが、SUSの場合は工夫が必要になるでしょう。一例として、以下のようなマウント用パーツを作成した例があります。
私は安価に構築するため、木材コクピを設計・製作しました。レビューについては別のエントリで。
つづきます。