SimVibeで振動コクピを作る:その1『振動コクピとは』
- SimVibeで振動コクピを作る:その1『振動コクピとは』
- SimVibeで振動コクピを作る:その2『設計・構築』
- SimVibeで振動コクピを作る:その3『振動コクピの感想』
先日、こんな事をSimVibeのレビューで言っている人がいました:
追加でいくつかBass Shakerを買いたいという衝動が抑えきれなくなります。おこづかいが厳しいお父さんは手を出さない方がいいでしょう。
おこづかいが厳しい私ですが、ついに振動コクピを作ってしまいました!その過程で調べたことやわかったことをまとめておきます。今までに書いた振動関連のエントリと重複するところもありますが、総まとめということで。
そもそも振動コクピとは
レースシム環境で最もイッっちゃってる環境はモーションコックピットですが、製品にしてもDIYにしても10万円単位でお金が飛び、さらに騒音のことも考えると簡単に導入できるものではありませんね。
モーションコックピットでシミュレーションするのはロールやピッチといったGの再現が主になりまが、一方、振動コックピットは、エンジンの振動、シフトチェンジのショック、サスペンションのストロークに伴う車体の揺れといった振動の再現を主としています。
どちらも”車に乗っている感”を出すための環境ですが、アプローチは違いますね。
振動コクピの方が低コストで構築できますが、モーションコクピの下位互換というわけではなく、振動コクピにしかないメリットもあります。これについては後述します。
振動コクピの歴史
おそらく最初に製品として登場したのはButtkickerでしょうか。低周波の音声を入力すると振動を発生する装置(スピーカーの親戚)を椅子の下等に取り付け、ゲームの音声に連動して振動を体感するという製品です。縁石を踏んだ時の「ブーン」という音や、路面からの「ゴツゴツ」といった衝撃は高い精度で再現できますが、サスペンションのストロークのようなほとんど音を伴わない振動については上手く再現できませんでした。
この弱点を克服したのがX-Simです。
最近のレースシムではリアルタイムにテレメトリ出力を行えるのが当たり前になりました。X-Simももともとはテレメトリデータを利用してモーションコックピットの制御を行うソフトウェアですが、このテレメトリデータを利用して、Buttkiicker等のバスシェイカーの制御にも応用できるように拡張されました。
海外ではホームシアター環境が充実しているユーザも多く、リビングのソファに付けていたバスシェイカーを剥ぎ取ってコックピットに移設し、「AWESOME!AWESOME!」と興奮したユーザも多かったようです。
ちなみに、Aura製のバスシェイカーがホームシアターの分野で高いシェアを持っているようですね。
SimVibeの登場
テレメトリ由来の振動により、レースシムライフが飛躍的に向上することが実証されました。
これに目を付けたのがモーションコックピットメーカーのSimXperienceです。
Buttkickerにしろホームシアターのバスシェイカーを転用するにしろ、今までは椅子の下に1つだけ付けるのが当たり前でしたが、「タイヤって4つあるんだから、4つ以上使えるべき。」という発想のもと生み出されたソフトがSimVibeです。
サポートできるバスシェイカーの個数が増えただけではなく、X-Simの場合に「テレメトリデータをどのように振動に変えるか」というところで複雑なチューニングが必要だったところを、振動の強弱や周波数といったパラメータだけを触ればいいように、機能が洗練されているのも特徴です。
メジャーなレースシムには全て、オールインワンで対応しているのもありがたいですね。
つづきます。